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あなたの「心の居場所」として・・・広島県尾道市・浄土真宗本願寺派・法光寺(法光寺心理相談室)

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「悩む」ことは大切なこと

「悩む」ことは大切なこと

「悩む」ことは大切なこと

 今、『悩む力』(姜尚中著・集英社新書)が話題になっています。
 その本で著者は、母親の生涯について、「母の抱えていた苦悩は、海のように深く、広かったぶん、人として生きる価値を見出すことができたのかもしれない」「悩みの海を抱えていたからこそ、生きる意味への意志がより萎えることがなかった」と述べています。 悩みや苦悩は意味のない厄災(やくさい)以外の何物でもないように思えるけれども、「誰にでも具わっている『悩む力』にこそ、生きる意味への意志が宿っている」のだとも述べています。
 しかし、現実の私の姿はどうでしょう。
 仏陀は、「人生は苦なり」と説かれました。四苦も八苦も、説かれなくとも自覚できるはずなのに、あえて仏陀が苦を説いたのは、悩むことを放棄しごまかしてしまっているこの私の姿が見えたからではないでしょうか。
 私が学ばせていただいているカウンセリングの師匠は、カウンセリングとは、悩みを解決するためのものではなく、健やかに悩める援助をめざすものだといいます。つまり、「苦悩」や「悩むこと」から逃げたり放棄したりするのではなく、ちゃんと悩めるようになるということが大切ということなのです。
 では、ちゃんと悩むにはどうすればよいのでしょうか。
 全国の地方新聞に「小説親鸞」を連載中の五木寛之さんは、連載を始めるにあたっての記事の中で、親鸞聖人を「悩みの天才」と称していますが、『21世紀仏教への旅』(講談社刊)の中で、「私にとって仏教とは、たんなる古典文化ではない。それは日々生きていくエネルギーを支えてくれる智恵であり、ともすれば挫折しそうになる心を励ましてくれる力であってほしいと思う」「仏教は知識ではない。生活のノウハウでもない。この生き難い世に生きていく私たちの魂の食べものなのだ。私はそう感じている」と述べています。
 苦悩を抱えた一人ひとりが、阿弥陀さまに支えられることで逃げたりごまかしたりしないで、それぞれの苦悩に向きあう。支えられているお互いがその苦悩に共感しつつ、さらには社会の諸問題に向きあい課題としていくことができるようになるのです。
「悩む」ことを大切にしながら、基幹運動をさらに強力に進めていくことで、ますます混迷の様相を呈している現代社会に向きあい課題としていきたいと思います。

2014-03-23 18:54:06

2009年2月10日号